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飼ってるザリガニに元カノの名前をつけてるひとはっけーん。
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日にちだけ先取りして本文書くの忘れた!!そんな10月10日。
「ケータイ刑事銭形幸一・・・」「なんですか?」「バベルさまからのお告げ」「え?バベル様って?」「え?なに?バベルさまってなに?」「いあ、いま、荏子田さんが・・・」「え?荏子田?なに?バベルさまなに?」「・・・・・」「なーんてね、冗談だよっ。真樹くんっ。真樹蔵人くん。」「いや、蔵人じゃないし。」「・・・・」「え?なんでにらむんですか?てか、バベルさまってホントなに?」「お告げをくれる人」「お告げって?なに予言かなんか?」「予言。完全な予言。予知夢。」「え?夢なの?」「そう、私大きくなったらパン屋さんになるんだ」「え?大きくって?荏子田さん今24ですよね?」「25」「ああそうか、25ですよね?大きくなったらって、今じゃだめなの?」「だめ。170にはならんと。」「え?170って?死んでるでしょ」「しなねーだろ!今159だし」「え?あ、え?背?」「背」「背なの?170になるの?無理じゃね?25でしょ?」「24」「え?25じゃね?さっき25って言わんかった?荏子田さんさ?」「25、7」「え?」「25で177」「え?」「だーかーらーうっせーなー、蔵人がー。」「いや、蔵人じゃないから、健人だから」「え?アンタ真樹健人っていうの?ケント?」「そうですよ。真樹ケント。」「え?クラーク・真樹・ケントっていうの?真樹よう子っていうの?ああああ、もっと簡単な”き”を出したいのに、き17連発やっちゃったから出ねーよ!それが!」「え?え?何?クラークなに?よう子ってなに?き17連発ってなに?」「どんどん言うなよ!どんどん!どんどんがんがん!がんがんじいか!がんがんじいなつかしいか!?」「え?がんがんじい?なにそれ?知らないよ」「じゃあ、バベルさまわ?」「え?知ってる。お告げの人」「人じゃねーよ!!!塔だよ!!バベルの塔ってあるだろ!!」「え?知らない」「え?知らないの?じゃあ無いのかな?」「え?それは判らないけど」「ねー?蒲郡さんー?バベルの塔ってあるよねー?そういう塔あるよねー?」
荏子田奈央がそう尋ねてきた。バベルの塔?なんだそれは?無いよそんなもん。あの女はまた出鱈目なことを言っているから、まったくもう。だから、俺は少し呆れるような言い方で「ないよー」と答えた。お告げ殺人という連続猟奇殺人が起こる3日前。
第二章
「王様っゲーム!!」「じゃあ、いくよー、王様の1!」「王様のー3っ!」「はい横の二人!」「ナハナハ!」「ナハナハ!」「…って、なんで私がこんなことしなくちゃならねーんだよ!!くそ狂牛病どもが!」ドガシャンッ!って音が鳴って、テーブルの上の大小さまざまな皿やグラスを両手で押しのけるようにして左右に吹き飛ばす。右に吹き飛ばす。左に吹き飛ばす。皆がポカンとした顔でこちらを見ている。私はなんだか可笑しくなって「くぷぷ、なにみんなぽかんとして」と呟いて。
「なんだよ!荏子田さん!この肉雅・弁償2万5千円って領収書は!なにやったの!こんなの経費で落ちないよ!」朝。くそ鬱陶しい清水裕樹がそう言ってくる。全然清水裕樹じゃないんだけど、清水裕樹にちょっと似てるから、逆に嫌味で私はアイツのことを清水裕樹と呼ぶ。ポップシンガー清水裕樹。代表曲・崖の上のポニョ。それ子供がうたってた歌だっつーの!おめーがうたってリメイクして大ヒットしてんじゃねー!!ぶわぁーか!!!
「ちょっと、きいてるの?荏子田さん、何睨んでんの」「あ、睨んですいません」「ホントに睨んでたのか・・・」「で、この弁償って何なの?」「そっれわー!私がー合コンでぶっ壊した店の弁償費用であります!」「なんだぁ?ふざけてんのかぁ?敬礼なんかして。そんな合コンなんか経費て落ちる訳ないだろ。」「・・・・え?潜入捜査の合コンですよ?壕痕。」「心底不思議みたいな表情で聞き返すなよ。そんな話聞いてないよ。そもそも潜入捜査ってなんだ。ばかか。」「今、ばかっていいました?」「・・・なんだよ、文句あるのか。君が在りもしないこと言うからだろ。」「えー、ねー?真樹くん、こっちきて、こっちきて、はい、せーの!ばっかでーす!タコでーす!」彼女は両手の一指し指を膨らました頬に当て、大きな声でそう言った。無理やり近くに呼び寄せられた真樹は、怪訝な顔で傍らの彼女を見つめていた。
課長は、心底気味が悪いというような表情をして「もうあっちいけよ。経費でおちねーかんな。」と言って、蝿を追っ払うような手つきで荏子田を遠ざけた。
「まいっちゃうよねー。潜入捜査うそが通用しなかったかー。」「あの荏子田さん。仕事、しましょう。電卓で遊んでないで。」「うるせーな!今いいとこなんだよ!184941495453893482244422・・・ああっ、0ってめっちゃ気持ちわるい。だから0だけは打ちたくない。だからいつも全然計算が合わない・・・。」彼女は、一心不乱に電卓を打ちながら不安そうに呟くと、机の下のおしゃれ鞄から風呂敷包みを取り出した。
「なにやってんですか?」「弁当だよ!弁当!」「え?まだ9時ですよ?てかだめじゃね?就業中に。課長が睨んでますよ?」「いいんだよっ!くわねーと死ぬだろ!あーーーーー!!!弁当だと想ったら何だよこれわ!!風呂敷で包まれた初代ゲームボーイじゃねーかよ!!通りでちいせぇと想ったんだよ!朝」「え?なんですか?なぁにそれ?」「あーーーーー!!ぜんぜんテトリス棒がこねーーーーー!!あ、これテトリスじゃなくて蛙が為に鐘は鳴るか・・・」「え?なに?蛙なに?テトなに?」
りーんりーんりーん
「あ!電話だ!」ガチャッ!そう言いながら勢いよく受話器をとる彼女。そして続けざまに「はい!もしもし!こちら警視庁会計局マスコットキャラクター印税課です!!なぁにぃ!?砂肝町で殺しぃ!?」と叫んだ。
課長や他の職員が怪訝そうな表情で注視し、「…え?ころし?なんで、うちにそんな電話かかってくるんですか?」と真樹が尋ねるのもさえぎりながら、熱心に「うんうん、うんうん、それで?」と通話を続ける彼女。傍らで取るメモには、くまちゃんの落書き。
「すんません、課長。サイレン君のCDの件で、ポニーキャニオンの倉島さんが下に怒鳴り込んできてるみたいなんで、ちょっと恫喝してきます。真樹くんも一緒にきて。」彼女は受話器を勢いよく電話機へと叩きつけると、席から立ち上がり、返答も待たぬまま真樹を引きずりだし、課を後にする。
「ちょ、ちょっとちょっと、荏子田さんっ・・・なんですか、なんですか、倉島さんからの電話だったんですか?てか、なんで僕も一緒にいかなきゃいけないんですかっ、離してくださいよ」「いあ、ちがうから、あれダミーだから、うそだから。砂肝町。死体でたって、お告げ殺人。」
「え?なんですか?殺人って・・・え?あれホントの電話だったんですか?じゃあ更にだめでしょ、刑事局の方に廻さないと。ぼくら会計ですからっ。」そう言って真樹は荏子田の手を振り払う。
「ぁぁん?なんだよお前、真樹テメェ。じゃあ、17万はやく返せよ!今すぐかえせ!!!どろぼーーー!!!ホステスへの慰謝料30万ーーーー!!!!」「ちょ、ちょっと大きな声ださないでくださいよ!ばかか!おまえばかか!」「ええぇ?今ばかっていいました?ちょっと、真樹くん・・・はい、せーの!ばっかでー・・・」「やるわけないだろ!一緒に!俺が言ったんだよ!ばかって!」「じゃあ、一緒に砂肝に来いよ。」「なんでですか?下手したらクビですよ。クビ。」「いいじゃねぇかクビでも。」「いいわけないでしょ!」「えー、でも、来ないとホステス慰謝料30万事件のことが怪文書で全庁者宛てにバラ撒かれるから、どうせクビだよ?」「あ、あんたねぇ・・・」
ワンッ!トゥー!サンシャインッ!
淘京都火区砂肝町。鮮やかなブルーシートで囲われた一廓には、制服警官が黒い槍を傍らに携え、立ち並び、厳重な警戒体勢を敷いていた。
ちなみに、先ほどから大声で叫んでいるのはレゲェファッションに身を包んだ黒色の外国人。中とって黒人。ラスタカラーのTシャツをびらびら揺らしながら「ワンッ!トゥー!サンシャインッ!ワンッ!トゥー!サンシャイン!米!騒!動!」繰り返し。
「あっのー、どーもー、連絡を受けた警視庁の刑事の種子島ヨワコでーす。こっちは真樹くんでーす。」「ちょ、ちょっと、なんでアンタが偽名で僕は本名なんですか!」と小声で慌てる真樹。
「いいだろ!真樹しかいってねーだろ!相手には蔵人でインプットされるからいいんだよ!」「されねーよ!」「あの・・・」二人が小声で言い合っていると、制服警官が怪訝そうに「あの・・・、こちらが遺体です。」言いながらビニールシートの奥へと二人を案内し、無惨に殺害された亡骸を示す。
「こ・れ・は・・・・お告げ連続殺人事件ですな。占星術殺人事件。」「え?」「え?」荏子田のその呟きに、真樹と制服警官がほぼ同時に反応する。「いや、完全に!お告げ連続殺人だな!」「・・・なんですか?お告げ連続殺人って?」「え?知らない?お告げ連続殺人」「知りませんよ。初めて聞きました。」「え!はじめて!?それ刑事失格だろ!酔っ払ってホステスぶん殴るより失格!」「コラッ!!」焦りながら荏子田を制す真樹を尻目に制服警官が「あー・・・なんか、聞いたことあるかもしれません。そのオツゲ連続殺人。たぶんだけど。」「ね!あるでしょ!ほらみろ!真樹!」「・・・いあ、どうなのかなぁ?そんな連続殺人だったら、もっと世間を騒がせてるでしょう。」「いいよいいよ、で、この死んでる人は誰なの?なんて名前なの?」と無遠慮に死体の衣服のポケットを素手で探る荏子田。
「はい。ですね、被害者の名前は持っていた身分証から東亜細亜駐米大使マコレフ吉田。91歳。じじいです。」制服警官の報告を耳にし「じじいって・・・」と、真樹が不安げに呟くのを気にせず、荏子田は「じじいか!・・・なんかー、死体きっもちわるー」と笑いながら。
そして、この事件は、彼女の言った通り”お告げ連続殺人”という名で其の後数ヶ月間新聞紙面を大いに賑わし、全国各地に事件の真相を解明しようとする無数の素人探偵を生み出した。
結局、事件は解決したのかしなかったのか、それよりも何よりも結果的に会計局職員による前代未聞の殺人事件の無断捜査の責任を一人負わされる形で、本庁から犯罪・お年寄り相談センターへと左遷された真樹くんのことが気の毒で仕方無い。
第3章へと続く
荏子田奈央がそう尋ねてきた。バベルの塔?なんだそれは?無いよそんなもん。あの女はまた出鱈目なことを言っているから、まったくもう。だから、俺は少し呆れるような言い方で「ないよー」と答えた。お告げ殺人という連続猟奇殺人が起こる3日前。
第二章
「王様っゲーム!!」「じゃあ、いくよー、王様の1!」「王様のー3っ!」「はい横の二人!」「ナハナハ!」「ナハナハ!」「…って、なんで私がこんなことしなくちゃならねーんだよ!!くそ狂牛病どもが!」ドガシャンッ!って音が鳴って、テーブルの上の大小さまざまな皿やグラスを両手で押しのけるようにして左右に吹き飛ばす。右に吹き飛ばす。左に吹き飛ばす。皆がポカンとした顔でこちらを見ている。私はなんだか可笑しくなって「くぷぷ、なにみんなぽかんとして」と呟いて。
「なんだよ!荏子田さん!この肉雅・弁償2万5千円って領収書は!なにやったの!こんなの経費で落ちないよ!」朝。くそ鬱陶しい清水裕樹がそう言ってくる。全然清水裕樹じゃないんだけど、清水裕樹にちょっと似てるから、逆に嫌味で私はアイツのことを清水裕樹と呼ぶ。ポップシンガー清水裕樹。代表曲・崖の上のポニョ。それ子供がうたってた歌だっつーの!おめーがうたってリメイクして大ヒットしてんじゃねー!!ぶわぁーか!!!
「ちょっと、きいてるの?荏子田さん、何睨んでんの」「あ、睨んですいません」「ホントに睨んでたのか・・・」「で、この弁償って何なの?」「そっれわー!私がー合コンでぶっ壊した店の弁償費用であります!」「なんだぁ?ふざけてんのかぁ?敬礼なんかして。そんな合コンなんか経費て落ちる訳ないだろ。」「・・・・え?潜入捜査の合コンですよ?壕痕。」「心底不思議みたいな表情で聞き返すなよ。そんな話聞いてないよ。そもそも潜入捜査ってなんだ。ばかか。」「今、ばかっていいました?」「・・・なんだよ、文句あるのか。君が在りもしないこと言うからだろ。」「えー、ねー?真樹くん、こっちきて、こっちきて、はい、せーの!ばっかでーす!タコでーす!」彼女は両手の一指し指を膨らました頬に当て、大きな声でそう言った。無理やり近くに呼び寄せられた真樹は、怪訝な顔で傍らの彼女を見つめていた。
課長は、心底気味が悪いというような表情をして「もうあっちいけよ。経費でおちねーかんな。」と言って、蝿を追っ払うような手つきで荏子田を遠ざけた。
「まいっちゃうよねー。潜入捜査うそが通用しなかったかー。」「あの荏子田さん。仕事、しましょう。電卓で遊んでないで。」「うるせーな!今いいとこなんだよ!184941495453893482244422・・・ああっ、0ってめっちゃ気持ちわるい。だから0だけは打ちたくない。だからいつも全然計算が合わない・・・。」彼女は、一心不乱に電卓を打ちながら不安そうに呟くと、机の下のおしゃれ鞄から風呂敷包みを取り出した。
「なにやってんですか?」「弁当だよ!弁当!」「え?まだ9時ですよ?てかだめじゃね?就業中に。課長が睨んでますよ?」「いいんだよっ!くわねーと死ぬだろ!あーーーーー!!!弁当だと想ったら何だよこれわ!!風呂敷で包まれた初代ゲームボーイじゃねーかよ!!通りでちいせぇと想ったんだよ!朝」「え?なんですか?なぁにそれ?」「あーーーーー!!ぜんぜんテトリス棒がこねーーーーー!!あ、これテトリスじゃなくて蛙が為に鐘は鳴るか・・・」「え?なに?蛙なに?テトなに?」
りーんりーんりーん
「あ!電話だ!」ガチャッ!そう言いながら勢いよく受話器をとる彼女。そして続けざまに「はい!もしもし!こちら警視庁会計局マスコットキャラクター印税課です!!なぁにぃ!?砂肝町で殺しぃ!?」と叫んだ。
課長や他の職員が怪訝そうな表情で注視し、「…え?ころし?なんで、うちにそんな電話かかってくるんですか?」と真樹が尋ねるのもさえぎりながら、熱心に「うんうん、うんうん、それで?」と通話を続ける彼女。傍らで取るメモには、くまちゃんの落書き。
「すんません、課長。サイレン君のCDの件で、ポニーキャニオンの倉島さんが下に怒鳴り込んできてるみたいなんで、ちょっと恫喝してきます。真樹くんも一緒にきて。」彼女は受話器を勢いよく電話機へと叩きつけると、席から立ち上がり、返答も待たぬまま真樹を引きずりだし、課を後にする。
「ちょ、ちょっとちょっと、荏子田さんっ・・・なんですか、なんですか、倉島さんからの電話だったんですか?てか、なんで僕も一緒にいかなきゃいけないんですかっ、離してくださいよ」「いあ、ちがうから、あれダミーだから、うそだから。砂肝町。死体でたって、お告げ殺人。」
「え?なんですか?殺人って・・・え?あれホントの電話だったんですか?じゃあ更にだめでしょ、刑事局の方に廻さないと。ぼくら会計ですからっ。」そう言って真樹は荏子田の手を振り払う。
「ぁぁん?なんだよお前、真樹テメェ。じゃあ、17万はやく返せよ!今すぐかえせ!!!どろぼーーー!!!ホステスへの慰謝料30万ーーーー!!!!」「ちょ、ちょっと大きな声ださないでくださいよ!ばかか!おまえばかか!」「ええぇ?今ばかっていいました?ちょっと、真樹くん・・・はい、せーの!ばっかでー・・・」「やるわけないだろ!一緒に!俺が言ったんだよ!ばかって!」「じゃあ、一緒に砂肝に来いよ。」「なんでですか?下手したらクビですよ。クビ。」「いいじゃねぇかクビでも。」「いいわけないでしょ!」「えー、でも、来ないとホステス慰謝料30万事件のことが怪文書で全庁者宛てにバラ撒かれるから、どうせクビだよ?」「あ、あんたねぇ・・・」
ワンッ!トゥー!サンシャインッ!
淘京都火区砂肝町。鮮やかなブルーシートで囲われた一廓には、制服警官が黒い槍を傍らに携え、立ち並び、厳重な警戒体勢を敷いていた。
ちなみに、先ほどから大声で叫んでいるのはレゲェファッションに身を包んだ黒色の外国人。中とって黒人。ラスタカラーのTシャツをびらびら揺らしながら「ワンッ!トゥー!サンシャインッ!ワンッ!トゥー!サンシャイン!米!騒!動!」繰り返し。
「あっのー、どーもー、連絡を受けた警視庁の刑事の種子島ヨワコでーす。こっちは真樹くんでーす。」「ちょ、ちょっと、なんでアンタが偽名で僕は本名なんですか!」と小声で慌てる真樹。
「いいだろ!真樹しかいってねーだろ!相手には蔵人でインプットされるからいいんだよ!」「されねーよ!」「あの・・・」二人が小声で言い合っていると、制服警官が怪訝そうに「あの・・・、こちらが遺体です。」言いながらビニールシートの奥へと二人を案内し、無惨に殺害された亡骸を示す。
「こ・れ・は・・・・お告げ連続殺人事件ですな。占星術殺人事件。」「え?」「え?」荏子田のその呟きに、真樹と制服警官がほぼ同時に反応する。「いや、完全に!お告げ連続殺人だな!」「・・・なんですか?お告げ連続殺人って?」「え?知らない?お告げ連続殺人」「知りませんよ。初めて聞きました。」「え!はじめて!?それ刑事失格だろ!酔っ払ってホステスぶん殴るより失格!」「コラッ!!」焦りながら荏子田を制す真樹を尻目に制服警官が「あー・・・なんか、聞いたことあるかもしれません。そのオツゲ連続殺人。たぶんだけど。」「ね!あるでしょ!ほらみろ!真樹!」「・・・いあ、どうなのかなぁ?そんな連続殺人だったら、もっと世間を騒がせてるでしょう。」「いいよいいよ、で、この死んでる人は誰なの?なんて名前なの?」と無遠慮に死体の衣服のポケットを素手で探る荏子田。
「はい。ですね、被害者の名前は持っていた身分証から東亜細亜駐米大使マコレフ吉田。91歳。じじいです。」制服警官の報告を耳にし「じじいって・・・」と、真樹が不安げに呟くのを気にせず、荏子田は「じじいか!・・・なんかー、死体きっもちわるー」と笑いながら。
そして、この事件は、彼女の言った通り”お告げ連続殺人”という名で其の後数ヶ月間新聞紙面を大いに賑わし、全国各地に事件の真相を解明しようとする無数の素人探偵を生み出した。
結局、事件は解決したのかしなかったのか、それよりも何よりも結果的に会計局職員による前代未聞の殺人事件の無断捜査の責任を一人負わされる形で、本庁から犯罪・お年寄り相談センターへと左遷された真樹くんのことが気の毒で仕方無い。
第3章へと続く
声優を目指して猛勉強中のカルロスとしきMk2です!ああ、カルロスとしきMk2ってのは新しいぼぐのペンネームです。ぼぐってあれじゃないですかぁ?今から伊豆へいってきます、魚とかあわびとか、親戚の兄ちゃんが、君もいっしょにきなよとか、いっしょにスノボいこうよとか社交辞令でいってくるから、わたしも「いいですねいきましょう」と社交辞令で返すんだけど、ほんきでいってたら殺す。きらいだからきらいだから、そういうのきらいだから、長い間人の他人と一緒にいると木がくるいそうになるから。木が。木っていうのは、樹齢100ねんぐらいの古木なんだけどね。樹が。あたらしいことかんがえた、いまからやります。樹木気期着機記奇黄貴来規季鬼生帰軌。ほらね、き17連発。いままでこんなことやった人いねーだろ。インターネット初。斬新。初。あははうふふ。喜々麒麟。2年まえの俺がすでにやってたけどね。いあ、やってないけどけどやってないけどぉ。はぁ?うそですかぁ?全体から3分の一ひいて4文壱ひいて、もう全部のこりません。その13%とが、のこった30%が私の。
第1章
不思議ハンターの彼は、彼女だけど、彼女は自分のことをそう余部(呼ぶ)といって、助手と名乗った東海道博巳似の男に「これを」と言った。
福井半の学校。福井半の学校では、困ったことがおきていた。なぜなら、15年前から不思議なことが立て続けにおきるからである。ほぼ毎日起きていて、15年間何も対策をすることは無かった。そして15年前からこの学校の用務員として働いていたビッグムーン士郎は、ついぞ15年前の殺人事件の時効を誰に知られることもなく迎えていた。ビッグムーン士郎というのも勿論偽名で、学生たちにも気味悪がられていて、15年前の殺人事件の犯人に似てるともいわれていた。
15年前からこの福井半の学校では、不思議な出来事が立て続けに置き続け、それは学園248不思議と呼ばれていた。校長先生はコブラ病という病気だった。
淘京六メイ館
「ここがりくめいかん?」不思議ハンターと名乗った彼女は、学芸員であるトヨタ富郎にそう尋ねた。彼女の名は、二階堂移動缶斉藤寺か。みんなは親しみを込めてこう呼んだ(ここから数ページ判読不可能)
「ええ、それでですね、岳童大ってのが、・・・・」明治の当時の話だった。「混同するなよ、そういうことを。混同するなよ。」トヨタ富郎はつよくいった。卯は、「・・・・因・・・・」と言った。糾し。
食用蛙研究所。福井半の学校。そこから遠く東に遡り、そして淘京の事務所。淘京の西。猜疑市りんご町の駅から徒歩90分。日本家屋を改装してつくったという住居兼事務所。看板の字は読み取れない。
「せんせいは、ホントにその不思議ハンターという人をご存知なんですか?」そうきいてきたのは、国府田マリ子という女性だった。本名は千住田マリ子といった。
まず、第1の不思議として、休憩室で迫る椅子。音楽室の幽霊。1年B組の机。毎日かわる日直の名前。ヴェートベンが犬の名前。すぐ食べよく眠る田中。作業中止を勧告するのが遅い伊尾田。親知らずが抜けたと言う田上。他は数えあげればきりはないが、60%はすべて正真正銘の不思議であった。
二階堂移動缶斉藤寺かも偽名だった。架空の名前。だから誰も彼女を知らないし、彼女の顔をみたものもこの世には居ない。穀物を信用していないというのが口癖で、私は動物だから。私は動物だから。呟く。
福井半の教諭は皆ベテランぞろいで、全員が40代の働き盛りの男たちだった。もと日本兵で戦時中はミッドウェイ海戦で活躍したという酢の物揃いだった。自分たちのことを堕天使の軍団と呼んでいた。
「ポン酢にこれをつけてくってみてください」助手の君子がそういうので、私はそれをポン酢につけて食べた。「なにこれうっまーうまうま。うまうまダンスおどりそー。」「ね?うまいでしょ?」「そ・れ・で?」「団地に幽霊が出てこまるという人から依頼がきています。」「場所は、依頼があった場所。というか依頼をした男は団地の雇われ管理人で、名前は脳漿ブリン。生玉出身で、かなりの訛りがありました。それもワザとらしいざーとらしいな・ま・り・ね。」「じゃあ?どういうこと?」「さあ、生玉出身を装ってるんでしょ。いまどき70でもこえてないと、あんな訛り方しないっつーの。脳漿ブリンなんていかにも若者風の名前を装っておいてそれはないでしょ。年齢の見た目も30中盤だしね。」「じゃあ?その依頼は受けない方がいいってわけ?罠なわけ?玄米&ぬかたちの罠?」「いあー、玄米&ぬかは今回はかかわってないでしょう。蕎麦川の件でこりてる筈だし。これでこりてなかったら、私だって彼らを尊敬しちゃいますね。尊敬しないか、あきれるか。呆ける。」「だから?それで?依頼ってのは幽霊がでて、それを私にどうしてほしいの?幽霊なんでしょ?除霊とかできないよね?私」「ええ、除霊とかじゃないから、ないから。あはは」そういって笑った君子。私は君子になんだか馬鹿にされてるような気がして。目に涙をためて「そんな言い方ないだろ!」と叫んだー。
「あー、すいません。しこし言いすぎましたね。」君子は素直にそう謝ったけど、「しこし」という言い方は、言葉を噛んだのか、それとも意思的にふざけたのかそれを判断しかねた。ふざけているなら論外だが、噛んだとした場合も、訂正しなかったのは少し気になる。「で、ですね。その団地にいって、それが本当に幽霊かどうなのか、その203号室に出る、三角コーンのような白と赤の縞模様のものが。なになのかを調べてほしいんですよ。」わたしは、少し不安だったが、家賃の残りである98万円の為。
「豊かな人間性。豊かな人間性。豊かな人間性。豊かな人間性。」団地の真ん中の芝生で、小学生の集団が何かを叫んでいる。5×8人、縦横綺麗にならんだその小学生たちは、先ほどから「豊かな人間性!」と両手を後ろでにまわして、そらを見上げながらそう叫んでいる。私は、前を歩く脳漿ブリンに、そのことを尋ねようと口を開きかけたが、それよりも早く脳漿ブリンが「いやはっぁ、とんっでもないですよねっへぇぱん。ぱっ。あの、ね、先生自ら、おいでくださるなまんで、おもっくながったねー。そうアルねー。びっくりしたアル。」後半の不意の中国人らしさに多少疑念を抱きつつも「で、その203号室というのはどこなんですか?」と尋ねてみたところ「ここです」と一言。既に私たちは、その”我が人生の闘争幽霊”と呼ばれるものが現れる部屋の前へときていたらしい。時間は夕方の4時10分。手元の手巻き時計でそれを確認した。
「それはこんな夕方から現れるんですか?」私がそう脳漿ブリンに尋ねると、ブリンは「いやっはぁっぁ??子供たちが騒いでることですからねぇ、低学年の2、3人が・・・」と言葉を濁した。そして傍らの脇鞄からカギの束を取り出し、扉をガチャりと開ける。カギの束についたキーホルダーは、「キラーキメラ」と書かれた細長い小さなアルミ製の板だった。
部屋の中はひっそりとしている、一見どこにでもありそうな部屋だが、よく見ると部屋の壁にA子と書かれた目線の消された女性の写真が数枚貼られていてとても不気味だった。私はブリンに「この、A子というのは?」と尋ねると、ブリンは何だか、ペットを失った飼い主のような態度で床を見つめながら「A子はねー、栃木出身なんですよー、私とはねー、中学も高校も一緒でねー。同じ兎年なんですよー。でもねぇ・・・、神隠しでいなくなっちぃました。俺は無関係だけど。」と、最初から最後まで一環して気味の悪い抑揚で答えた。そして、私が少し気味悪がっていると、「じゃ、そっゆっことなんでぃにぇ、あとはっわ、よっろしく。しくよろ。」といって、部屋から出ていった。外から強い勢いで鍵をかけられた。
私は、なんだか不安な気分になって、あわてて入り口まで駆け寄り、扉の鍵をガチャりと開け、部屋の外へと顔出した。当然の如く扉は開き、先ほどと同じように40人の小学生が「豊かな人間性。豊かな人間性。」と復唱を続けていた。
それから3時間、何も起こらない只薄暗いだけの、A子の写真が貼られた部屋でじっと待つことになった。痺れをきらした私が、扉を開け「あのー?まだなのー?幽霊って何時ごろ一番でるのー?」と大きな声で呼びかけてみたものの、何の誰の返答も返ってこない。日も既に落ち、小学生の一団も姿を消していた。仕方が無いので、私は部屋に戻った。そして、フッと何かに気付いた。違和感を感じた。
その違和感とは、部屋の隅にあった映らないテレビ。どうやらアンテナがつながっていないようで、電源を入れてみても画面には砂嵐しか映らない。まあ、それは既に確認済みなのだけれども、私が違和感を感じたのはテレビの鎮座する台の下。台についたガラス戸の奥に、真っ赤なビデオデッキがあったこと。それに気付いた私は、ビデオデッキの電源ボタンを押し、一指し指でテープの収納部分を押してみる。中にはビデオテープがセットされていた。ビデオのラベルには「週間スタミナ天国」
私はおもむろに再生ボタンを押す。テレビ画面に映ったのは、以前土曜日の昼間に放送されていた、いまでいうバニラ気分の枠に放送されていた週間スタミナ天国という娯楽情報番組。番組を30分間鑑賞の後、フッと画面が途切れ、次に映し出されたのは、白と赤の横じま模様の三角コーンで顔をすっぽりと覆い、同じような横じまのだぶだぶのタイツを着込んで一心不乱に踊る何者かの姿だった。緑色のマントをしていた。
その踊りが残り1時間半テープの終わりまで続き、新しい展開が何一つ起こらぬまま同じ踊りを36回以上繰り返す中途で、画面は唐突に途切れ、砂嵐。私は画面を凝視したまま「えー?これはどういうことー?」と、誰に尋ねるともなく大きな声で。
第2章へと続く
第1章
不思議ハンターの彼は、彼女だけど、彼女は自分のことをそう余部(呼ぶ)といって、助手と名乗った東海道博巳似の男に「これを」と言った。
福井半の学校。福井半の学校では、困ったことがおきていた。なぜなら、15年前から不思議なことが立て続けにおきるからである。ほぼ毎日起きていて、15年間何も対策をすることは無かった。そして15年前からこの学校の用務員として働いていたビッグムーン士郎は、ついぞ15年前の殺人事件の時効を誰に知られることもなく迎えていた。ビッグムーン士郎というのも勿論偽名で、学生たちにも気味悪がられていて、15年前の殺人事件の犯人に似てるともいわれていた。
15年前からこの福井半の学校では、不思議な出来事が立て続けに置き続け、それは学園248不思議と呼ばれていた。校長先生はコブラ病という病気だった。
淘京六メイ館
「ここがりくめいかん?」不思議ハンターと名乗った彼女は、学芸員であるトヨタ富郎にそう尋ねた。彼女の名は、二階堂移動缶斉藤寺か。みんなは親しみを込めてこう呼んだ(ここから数ページ判読不可能)
「ええ、それでですね、岳童大ってのが、・・・・」明治の当時の話だった。「混同するなよ、そういうことを。混同するなよ。」トヨタ富郎はつよくいった。卯は、「・・・・因・・・・」と言った。糾し。
食用蛙研究所。福井半の学校。そこから遠く東に遡り、そして淘京の事務所。淘京の西。猜疑市りんご町の駅から徒歩90分。日本家屋を改装してつくったという住居兼事務所。看板の字は読み取れない。
「せんせいは、ホントにその不思議ハンターという人をご存知なんですか?」そうきいてきたのは、国府田マリ子という女性だった。本名は千住田マリ子といった。
まず、第1の不思議として、休憩室で迫る椅子。音楽室の幽霊。1年B組の机。毎日かわる日直の名前。ヴェートベンが犬の名前。すぐ食べよく眠る田中。作業中止を勧告するのが遅い伊尾田。親知らずが抜けたと言う田上。他は数えあげればきりはないが、60%はすべて正真正銘の不思議であった。
二階堂移動缶斉藤寺かも偽名だった。架空の名前。だから誰も彼女を知らないし、彼女の顔をみたものもこの世には居ない。穀物を信用していないというのが口癖で、私は動物だから。私は動物だから。呟く。
福井半の教諭は皆ベテランぞろいで、全員が40代の働き盛りの男たちだった。もと日本兵で戦時中はミッドウェイ海戦で活躍したという酢の物揃いだった。自分たちのことを堕天使の軍団と呼んでいた。
「ポン酢にこれをつけてくってみてください」助手の君子がそういうので、私はそれをポン酢につけて食べた。「なにこれうっまーうまうま。うまうまダンスおどりそー。」「ね?うまいでしょ?」「そ・れ・で?」「団地に幽霊が出てこまるという人から依頼がきています。」「場所は、依頼があった場所。というか依頼をした男は団地の雇われ管理人で、名前は脳漿ブリン。生玉出身で、かなりの訛りがありました。それもワザとらしいざーとらしいな・ま・り・ね。」「じゃあ?どういうこと?」「さあ、生玉出身を装ってるんでしょ。いまどき70でもこえてないと、あんな訛り方しないっつーの。脳漿ブリンなんていかにも若者風の名前を装っておいてそれはないでしょ。年齢の見た目も30中盤だしね。」「じゃあ?その依頼は受けない方がいいってわけ?罠なわけ?玄米&ぬかたちの罠?」「いあー、玄米&ぬかは今回はかかわってないでしょう。蕎麦川の件でこりてる筈だし。これでこりてなかったら、私だって彼らを尊敬しちゃいますね。尊敬しないか、あきれるか。呆ける。」「だから?それで?依頼ってのは幽霊がでて、それを私にどうしてほしいの?幽霊なんでしょ?除霊とかできないよね?私」「ええ、除霊とかじゃないから、ないから。あはは」そういって笑った君子。私は君子になんだか馬鹿にされてるような気がして。目に涙をためて「そんな言い方ないだろ!」と叫んだー。
「あー、すいません。しこし言いすぎましたね。」君子は素直にそう謝ったけど、「しこし」という言い方は、言葉を噛んだのか、それとも意思的にふざけたのかそれを判断しかねた。ふざけているなら論外だが、噛んだとした場合も、訂正しなかったのは少し気になる。「で、ですね。その団地にいって、それが本当に幽霊かどうなのか、その203号室に出る、三角コーンのような白と赤の縞模様のものが。なになのかを調べてほしいんですよ。」わたしは、少し不安だったが、家賃の残りである98万円の為。
「豊かな人間性。豊かな人間性。豊かな人間性。豊かな人間性。」団地の真ん中の芝生で、小学生の集団が何かを叫んでいる。5×8人、縦横綺麗にならんだその小学生たちは、先ほどから「豊かな人間性!」と両手を後ろでにまわして、そらを見上げながらそう叫んでいる。私は、前を歩く脳漿ブリンに、そのことを尋ねようと口を開きかけたが、それよりも早く脳漿ブリンが「いやはっぁ、とんっでもないですよねっへぇぱん。ぱっ。あの、ね、先生自ら、おいでくださるなまんで、おもっくながったねー。そうアルねー。びっくりしたアル。」後半の不意の中国人らしさに多少疑念を抱きつつも「で、その203号室というのはどこなんですか?」と尋ねてみたところ「ここです」と一言。既に私たちは、その”我が人生の闘争幽霊”と呼ばれるものが現れる部屋の前へときていたらしい。時間は夕方の4時10分。手元の手巻き時計でそれを確認した。
「それはこんな夕方から現れるんですか?」私がそう脳漿ブリンに尋ねると、ブリンは「いやっはぁっぁ??子供たちが騒いでることですからねぇ、低学年の2、3人が・・・」と言葉を濁した。そして傍らの脇鞄からカギの束を取り出し、扉をガチャりと開ける。カギの束についたキーホルダーは、「キラーキメラ」と書かれた細長い小さなアルミ製の板だった。
部屋の中はひっそりとしている、一見どこにでもありそうな部屋だが、よく見ると部屋の壁にA子と書かれた目線の消された女性の写真が数枚貼られていてとても不気味だった。私はブリンに「この、A子というのは?」と尋ねると、ブリンは何だか、ペットを失った飼い主のような態度で床を見つめながら「A子はねー、栃木出身なんですよー、私とはねー、中学も高校も一緒でねー。同じ兎年なんですよー。でもねぇ・・・、神隠しでいなくなっちぃました。俺は無関係だけど。」と、最初から最後まで一環して気味の悪い抑揚で答えた。そして、私が少し気味悪がっていると、「じゃ、そっゆっことなんでぃにぇ、あとはっわ、よっろしく。しくよろ。」といって、部屋から出ていった。外から強い勢いで鍵をかけられた。
私は、なんだか不安な気分になって、あわてて入り口まで駆け寄り、扉の鍵をガチャりと開け、部屋の外へと顔出した。当然の如く扉は開き、先ほどと同じように40人の小学生が「豊かな人間性。豊かな人間性。」と復唱を続けていた。
それから3時間、何も起こらない只薄暗いだけの、A子の写真が貼られた部屋でじっと待つことになった。痺れをきらした私が、扉を開け「あのー?まだなのー?幽霊って何時ごろ一番でるのー?」と大きな声で呼びかけてみたものの、何の誰の返答も返ってこない。日も既に落ち、小学生の一団も姿を消していた。仕方が無いので、私は部屋に戻った。そして、フッと何かに気付いた。違和感を感じた。
その違和感とは、部屋の隅にあった映らないテレビ。どうやらアンテナがつながっていないようで、電源を入れてみても画面には砂嵐しか映らない。まあ、それは既に確認済みなのだけれども、私が違和感を感じたのはテレビの鎮座する台の下。台についたガラス戸の奥に、真っ赤なビデオデッキがあったこと。それに気付いた私は、ビデオデッキの電源ボタンを押し、一指し指でテープの収納部分を押してみる。中にはビデオテープがセットされていた。ビデオのラベルには「週間スタミナ天国」
私はおもむろに再生ボタンを押す。テレビ画面に映ったのは、以前土曜日の昼間に放送されていた、いまでいうバニラ気分の枠に放送されていた週間スタミナ天国という娯楽情報番組。番組を30分間鑑賞の後、フッと画面が途切れ、次に映し出されたのは、白と赤の横じま模様の三角コーンで顔をすっぽりと覆い、同じような横じまのだぶだぶのタイツを着込んで一心不乱に踊る何者かの姿だった。緑色のマントをしていた。
その踊りが残り1時間半テープの終わりまで続き、新しい展開が何一つ起こらぬまま同じ踊りを36回以上繰り返す中途で、画面は唐突に途切れ、砂嵐。私は画面を凝視したまま「えー?これはどういうことー?」と、誰に尋ねるともなく大きな声で。
第2章へと続く
40円が足りなくてPSUが出来ない。以前5000円のwebマネを買って、3780円をモムハンに遣って、残りをPSUに利用できるつもりとしていたんですけど、さんすう間違えちゃったね。
てか、PSUの月額を1200円前後だとはおもっていたけど、1260円とはなー。なんで1220円じゃないんだ!消費税か!くそが!
てか、PSUの月額を1200円前後だとはおもっていたけど、1260円とはなー。なんで1220円じゃないんだ!消費税か!くそが!